ここでザリガニというのは、日本中の池や川に住んでいる、小型のロブスター「アメリカザリガニ」のこと。ザリガニつりは昔から子供の遊びの基本ですね。
 ちなみにザリガニは、お手軽に食べられる訳じゃないし、飼うのもけっこうたいへん。十分楽しんだら、最後に川や池に返してあげましょう。これを、「キャッチ・アンド・リリース」といいます。
 ザリガニってのは、どこにいるんでしょう? 実は、地域によってザリガニの分布にはかなりの密度差があります。東京では、公園の池などでごくふつうに見かけます。たぶん放流しているヒトがたくさんいて、それで増殖したんでしょうね。逆に、「ほとんどみかけない」という地方もあるようです。
 ザリガニは、ふつう水辺の組石の間などにできた穴の中にひそんでいます。近くに池があったら、石と石の間や、大きな石の下が空洞になっているような場所をのぞいてみてください。注意して見ると、ザリガニのひげがのぞいていることがあるはずです。
 ザリガニは、自作の仕掛け(しかけ)を使って釣ります。
 仕掛けの材料は、「割り箸(わりばし)」、「凧糸(たこいと)」、「するめ(さきいか)」の3種類。ほかに、つり具店で売っている「ガン玉」と呼ばれるおもりがあると便利です。
 40cm〜50cmくらいに切った凧糸を用意し、これを割り箸に結んでください。次に凧糸の(割り箸に結んだ側とは)反対側に、さいた「するめ」を2つ折にしたものを結びつけましょう。割り箸とエサを結びおわると、あとには釣り糸として使う部分の凧糸が30cm〜40cm残るはずです(この長さは、ザリガニを釣る池の深さによって変わります。図の例は、水面からザリガニが住む水底までの深さが40cm〜50cmの場合です。実際に使う釣り糸部分の長さが「池の深さ−10cm」くらいになるよう調整してください)。最後に、「するめ」のすぐ上にガン玉をつけると、水中でえさをコントロールしやすくなります。

 割り箸と凧糸を結ぶ部分がきちんとしていないと、せっかく釣れたザリガニが凧糸ごと落ちてしまいます。ついでなので、「はずれない糸の結び方」を覚えましょう(そこまでしなくっても(笑)・・・というヒトは、ふつうに結んでから瞬間接着剤で固めちゃってください)。
 最初に、割り箸の先端から1cmくらいのところに、カッターナイフで割り箸を一周する浅いミゾを切りましょう(こどもが作る場合、カッターナイフは危険なので、おとなに頼んでください)。
 次に、図のとおりに凧糸を結びます。これが、棒にヒモをしっかりと結ぶための基本(きほん)。「漁師結び(りょうしむすび)」と呼びます。
 図と同じ形になるように糸を通してたら、「→引っ張る」と書いてあるほうの糸の端を引っ張って結び目全体を絞めます。次に、反対側の糸の端を引っ張って割り箸のミゾをしっかり締めつけてください。
 うまくいくと、上の「ザリガニ釣りの仕掛け」の図のような形の結び目ができるはずです。

 釣り竿ができたら、ザリガニ釣りにでかけてみましょう。ザリガニのいそうな穴を見つけて、エサと糸を穴に入れます。魚釣りのように糸だけ水に垂(た)らすのではなく、竿(割り箸)ごと水につけてしまうのがコツ。こうすると、エサのするめを操作しやすくなります。
 ザリガニ釣りは、相手を見ながら駆け引き(かけひき)するのが基本。エサのするめを水底まで落としたら、ザリガニが近づくかどうかよく見ていてください。ザリガニがハサミをエサにのばしたらチャンス。数秒待って、しっかり抱えこんだのを確認してから、そ〜と引き上げます。
 ザリガニはすこし離れた場所にあるエサを、無視してしまうことがあります。ザリガニが出てこない場合は、エサのするめをあちこち動かしてみましょう。

| 戻る |